【番組コラム】エスパー魔美 [TVアニメ]


あなたのハートにテレポテーション!

超能力があったらこう使いたい!…という理想的なエスパーアニメと言えばこの作品。「エスパー魔美」は、1987年4月7日〜1989年10月26日までテレビ朝日で放映された、藤子・F・不二雄原作のアニメ化作品。

佐倉魔美(横沢啓子=現:よこざわけい子)は明月中学に通う中学生の女の子。仲の良いクラスメートの高畑和夫(柴本浩之)は、超能力について熱心に調べていた。ある日、高畑が3人組に襲われている場面に出くわした魔美。高畑の危機に直面して超能力が目覚め、殴られそうになった高畑をテレポートさせて危険を回避させた。すっかり自分がテレポートしたものだと勘違いした高畑は、再び超能力の実験をはじめる。高畑を喜ばせようとして、こっそり念力を使って物体を動かす魔美。魔美は自分のエスパーとしての超能力を日に日に自覚して行くのだが―。


こちらも忘れられない藤子F作品の1つ。
アニメ化された作品ではキャラクターが中学生という、低年齢を主役とした藤子アニメが多いなか年齢がやや高めの設定が特徴。

なんと言っても、藤子流のストーリー展開にはシビれました。

例えば、第4話「友情はクシャミで消えた」の回。
すっかり自分が超能力者だと信じていた高畑の目の前で、魔美は鼻をかもうとして無意識にテレキネシスを使ってティッシュを取ってしまった。自分は何も超能力を持っていない事を知り、結果的に騙されたと感じた高畑は「僕は嘘が嫌いなんだ。嘘をつくのもつかれるのも」と魔美に言ってしまう。
ショックで自宅に帰れずに落ち込む魔美。遅く帰った事を母親・佐倉菜穂子(榊原良子)から問いつめられた魔美は、とっさに「今まで高畑さんと一緒にいた」と嘘をつく。本当かどうか、高畑君に電話で確認すると母親が言い出して大ピンチ。ところが、そんな嘘に乗っかってくれた高畑さん。今まで一緒にいたと言う高畑さんに母親も安心して説教回避。嘘が大嫌いな高畑さんが、自分の為に嘘をついてくれたと喜ぶ魔美だった。

嘘が原因でケンカしたのに嘘がキッカケで仲直りという展開は、さすが藤子アニメと言わずしてなんという。
こうして高畑は魔美のためにサポートする様になり、魔美の身体に障害物が当たりそうになると反射的にテレポートして回避することに気付いた高畑は、テレポート用のアイテム「テレポテーション・ガン」(ハート型のビーズ発射器)を作って魔美に渡す。これで、魔美は自分に向けビーズを飛ばして自由に瞬間移動出来る様になった。



ちなみに、アニメでは「ビーズ」になっているが、確か原作では「仁丹(梅)」だった様な気がする(漫画が買ってもらえなかったんで、立ち読みの記憶しかないから間違ってたら御免)。

そして、このアニメは魔美の超能力と高畑君の頭の回転が活かされた作品で、能力者が活躍してサポート役が補助に徹するという二人三脚な展開の先駆けとなった作品だ。

なんと言っても、高畑さんはアニメのキャラにしておくには勿体ないほどカッコイイ男である。
見た目は「ジァイアンを綺麗した様な」と例えられるように少し小太りで運動も苦手だが、大人で紳士的な対応といい、頭が良く優しい人柄は藤子キャラでは一番だと思う。



ちなみに、こちらは「綺麗になったジァイアン」(笑)

名台詞も多く、例えば、第16話「魔女・魔美? 」ではクラスメートの間宮幸子(江森浩子)に脅迫状を送った犯人が魔美なのではないかという噂がクラスに流れ、落ち込む魔美に高畑が真犯人を探す事を提案する。自分が犯人じゃない事を信じてくれるという高畑さん。「あらゆる証拠が不利なのに、それでも私を信じてくれるの!?」と心配する魔美に、高畑さんが言うセリフ。


アナタ本当に中学生なんですか…?

また、高畑さんを思い出すと脳内でお声が再生されるほど、担当した柴本浩之さんはこの作品で良い仕事をされています。

話が進むにつれ、次第にテレポテーションの移動距離が伸びたり、テレパシーテレキネシスが出来る様になったりと、魔美の超能力の幅が広がって行った。最初は「非常ベル」と呼ばれる、誰かが助けを求める念がベルの音となって聞こえる様になり、非常ベルが聞こえると超能力を使って人助けをする様になる。
凄かったのが、夜1人でトイレに行けない魔美が、自分の尿を高畑さんの膀胱に瞬間移動させてスッキリ! 身代わりになった高畑さんは突然感じる尿意で慌ててトイレに駆け込むといったシーンがあり、当時なりのギャグだと思うのだが、いま見るとなんとも言えないほど衝撃的な描写である。

感心するのは、「超能力を誰の為にどこでどう使うか?」というそのアイデア。毎回、魔美の超能力がどうやって誰の為に使われるのか? ぜひ視て頂きたい。超能力を使ってスリリングな展開をする話や、逆に超能力を使えない状況に陥ったり、ドキドキハラハラで危機一髪な話からミステリアスで不思議な事件、そして思わずグッと来る感動の話まで、どれも見応えがあります。

また、サービスシーンとして盛り込まれた魔美のヌードモデルは、絵描きの父親・佐倉十朗(増岡弘)のモデル料の小遣い稼ぎとして登場するが、こうした描写が問題になると云う理由で絶対にアニメ化されない作品と云われていただけに、アニメ化された当時は驚いたものでした。

影の功労者はやっぱりコンポコ(小粥よう子=現:日比野朱里)ですかね。
魔美の飼い犬で、「油揚げ」が好物で外見はキツネかタヌキにしか見えないのだが、立派な雄の雑種犬である。高畑が名前を「ポンポコ」と間違える度に不機嫌になるあたり、知能は人間と同じなのではと思うほど言葉が通じるコンポコ。魔美の危険を知らせたり、時には魔美を助けたり、高畑が付き添えない時のサポーターといった所でしょうか。身体が小さくても勇敢で、ときに健気な姿をみせる時はグッと来るものがあります。

忘れられない話は、第54話「タンポポのコーヒー」と第59話「夢行き夜汽車」。
この作品のチーフデレクターはのちに「クレヨンしんちゃん」で活躍する事になる原恵一監督。クレしん映画「嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦」で高く評価された監督として有名ですが、54話を含めて、名作と云われる「サマードック」など、一部の回の脚本または演出・絵コンテも担当しておられました。59話ではクレしんの初代監督の本郷みつる氏が演出・絵コンテを担当。魔美の話はどれも見応えがあるのもクレしん組のメンツを見ればある意味納得です。

超能力ならではの都合の良い展開も否めず、若干生じる矛盾はご愛嬌。
もしも、自分に超能力があったらこんな使い方が望ましいと思わせてくれる、そんな作品です。これだから藤子アニメはやめられないッ。

ルルルルルルルルルルル…

んッ?!! 非常ベルの音がッ!!
遠くで呼んでる声がするッ。
こうしちゃおれんッ。

テレポテーション・ガンにビーズ(仁丹)いっぱい詰めて〜。

テレポート!!!

※仁丹は中毒性が指摘されています
 頻繁に使う場合はテレポートする時だけにしましょう
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